PSJ渋谷研究所X(臨時避難所2)

はてダ http://d.hatena.ne.jp/kamezo/ からインポートしただけ

【種】「エピデンスの読み方」


kikilogだったと思うのだけど、下記の記事が紹介されていました。


Tsubono Report:エビデンスの読み方7:健康情報を評価するフローチャート
http://www.metamedica.com/news2001/howto07.html


いわば「その健康情報が信頼できる内容かどうかの見分け方」の記事。メディアリテラシーの一種と言ってもいいのかも。


ちなみに、エピデンスって知らなかったのでググってみたら、論拠とか科学的根拠って意味らしいです。


『How to 健康管理』(法研)に2年間掲載された同名コラムの記事だとのこと(同誌はすでにない模様)。サイト内を検索したら、なるほど24件もあった。


上記記事も役に立つけど、まずは続きとしてこの辺もいいなあ、と思ったのをメモ。


エビデンスの読み方13:フローチャートで健康報道を読み解く
http://www.metamedica.com/news2002/howto13.html
実際に10本の記事や番組を読み解いたら

要するに、「科学的根拠が薄弱で、話半分に聞いておけばいい内容」が多く、「真剣な考慮に値するような、科学的な信頼性の高い内容」は少なかった
と遠慮がちに書かれていますが、ベタに言ってしまえば「全部不合格」ってことかも。


エビデンスの読み方8:インターネットで見る医学論文の世界
http://www.metamedica.com/news2002/howto08.html
なんで「13」のようなことになるかというと、情報源がことごとく英語なのがイタい模様。

言葉の壁があるせいか、これらの専門誌に掲載される論文の内容が、日本のメディアで伝えられるのは、驚くほど少ないのが現状です。「これほど重要な研究が、どうして日本ではまったく報道されないのか」と、私じしん不思議に思うことがよくあります。
とのこと。
コストをかけて作っているはずの専門メディアでも、そういうレベルなのかしら。これは2002年の話ですが、メディア向けに噛み砕いて日本語で出されている医学情報って今もないのかな。だとしたら、医学ものが翻訳できるあなた、ビジネスチャンスかも。高くても、売れるんじゃないかしら。


以下おまけ。というか、ほかのタネになりそうなネタ。


エビデンスの読み方1:常識や定説の真偽
http://www.metamedica.com/news2001/howto01.html
いろんな調査方法=研究デザイン(研究方法)があって

研究の結果を見るだけでは不十分で、どのような研究デザインなのかを確かめることが重要になります。二つの研究があってその結果が矛盾していれば、より信頼性の高い方法で行われた研究の結果を優先して考える
というお話は、「こういう研究結果があるんだってさ」に対するマユツバ起動に有効かも。


エビデンスの読み方17:食べ物のがん予防効果の大きさは?
http://www.metamedica.com/news2002/howto17.html
大きすぎる効果を疑う、という目線が養えるかな。


エビデンスの読み方20:食べ物とがん・米国対がん協会の判定
http://www.metamedica.com/news2002/howto20.html
「グレーゾーンってなんだ」ということが理解できるかも。
ここでは「栄養とがんとの関連についての判定」が「A1 利益を示す「確実」(convincing)な根拠がある」から「D  有害であることを示す根拠がある」の6段階あって、どの判定レベルのネタなら生活に取り入れる意味があるか(記事ではA1と「A2 利益を示す「おそらく確実」(probable)な根拠がある」だけとされている)、「A3 利益を示す「可能性がある」(possible)ことを示す根拠がある」でも定期的に見直す必要があるとされています。
A1、A2が白で、Dは黒なんだけど、途中のA3からCの3つはグレーゾーンなわけだ。


これって、以前、電磁波の発ガンリスクを調べたときにも同じような表に出くわしました。そんときゃ「可能性がある」っていうのがどの程度に評価していいのか、悩みました。記事には使わなかったんだったかな。


おまけのおまけ。


エビデンスの読み方15:たばこをめぐる最近の研究
http://www.metamedica.com/news2002/howto15.html
記事の冒頭と最後に

「たばこの健康影響」などというと、すでに研究がやりつくされていて、いまさら新しく調べることは、ほとんどないような印象があります。けれども実際には、はっきりしていないことが、まだまだ少なくありません。(中略)たばこの健康影響をめぐる研究は、いまも活発に行われています。喫煙は、「対策」としても、「科学」としても、まだまだ未解決の健康問題なのです。
とあるもんだから、一瞬「専門家から見ると『タバコは健康に悪い』は未科学の部分があるのか!?」と思いました。
実は、私は「後ろめたい喫煙者」であって喫煙の健康を被害を少なく見積もりたいという心理バイアスをもっているんですね。それで都合がよさげなところに飛びつきそうになったわけです。
実際には、細部においては十分な検証ができてないところもある、っていうだけで「健康に悪い」ということを覆すような話はもちろん、それを疑わせるような話だってカケラもありませんでした。でも、うかつな引用って、こうやって始まるんじゃねえか、と思ったのです。とほほ。