PSJ渋谷研究所X(臨時避難所2)

はてダ http://d.hatena.ne.jp/kamezo/ からインポートしただけ

「ニセ科学判定所が欲しい」という話


以前から何度か「ニセ科学商品かどうかを判定してもらえる場所が欲しい」という話題がしばしば出ます。今回のニセ科学フォーラム2007でも出た模様。


「ニセ科学フォーラム」を生かすために(さまき隊的科学と環境と仕事と遊び 2007/07/11)

ニセ科学フォーラム2007」の有志交流会で、「買おうとしている商品が、ニセ科学商品かどうか悩んでいるひとにアドバイスできるサイトがあるといい」という意見が出ました。
そういう気持ちはとてもわかるのですが、私はそういう「場」は危ういと思っています。


誰かに判定してもらおうという発想は、つまり「ズバリ言ってほしい」ってことですよね。そこれはまさに、ニセ科学のわかりやすさに惹かれてしまう心性ですから、それが欲しいという気持ちは痛いほど分かるんです。あれば喜ばれるだろうということも。


しかし、実際にそんな場ができても、良心的に運営されれば、科学とニセ科学未科学・非科学の間にあるグレ―ゾーンはグレ―ゾーンなままですよね。
「ズバリな答え」や「都合がいい答え」なんかない場合がほとんどなんだ、ということを学べる場であれば意味があるのかなあ、とも思いますが、それじゃあ期待されているものとは違うでしょうし。


判定を仰ぎたい商品は無数に出てくるに違いなく、それを処理し続けることができるのか、ということも懸念します。Windows FAQやあまたのパソコンのトラブル相談掲示板みたいなサイトがあるのだから、不可能ではないのかもしれませんが、あれはかなりの範囲で回答者が個々の環境で再現テストできるから可能なようにも思うのです。
kikulogで見かけるような「その商品のサイトを見てみましたが、そこにある商品説明は科学的に(あるいは論理的に)おかしい。しかし、なんらかの効果がある可能性は否定できない。価格と商品説明がうたう効果に納得できるなら買ったって構わないが、私なら買わない」というような説明で納得してもらうしかないようなケースが大半になりそうですよね。