PSJ渋谷研究所X(臨時避難所2)

はてダ http://d.hatena.ne.jp/kamezo/ からインポートしただけ

ヘッドホン難聴と加齢による「高域不感症」


昨年のネタなのだが。忘れてたのだ。


私は耳が遠い。(やぶいぬ日記 2007-12-29)


人間の可聴帯域は20hz〜2万hz(20Khz)と言われているけど、大学生以下の諸君には聴こえている20Khz近い高音は、40代の私やあなたには聴こえていない場合があるのだよ、という話。「高域不感症」ってのは、ボクの造語です。ひょっとすると、単に難聴でいいのかも。


一応概略を下記に書きますが、できたらエントリからコメント欄まで全部読んでください。おもしろいので、おすすめ。


概略を要約すると、まず、やぶいぬさんの「実はオレは耳が遠いのだが、パソコンのソフトで計測したら15Khzぐらいまでしか聴こえていないではないか、ほんとか」とか「そういえば、高名なるオーディオ評論家のみなさまは、それなりにご高齢なのだが、耳が遠くなってたりしないのだろうか。というか、なってないわけはないのだが、その辺、どう折り合いをつけているのだろうか」というようなエントリがあり、コメント欄でアタシがうっかり「ヘッドホン難聴という話があるが、あれは実証されていないらしい」というトピずれな話をし、すると大友良英さんが現れて、意外なお話を披露してくれた。


大友良英さんのお話は、「ヘッドホン難聴は研究はされてないんだろうけど、ありますぜ」「っていうか、40代ぐらいだと14〜16Khzあたりまでしか聴こえてないことが多いよ」「だけど、体で感じるってのも確かにあって、聴こえてなくても具合が悪くなるなんてことも実際にあるみたい」などというお話であります。


ちなみに、ソプラノの人の音域がC4〜E6だそうです。これはどれぐらいの周波数か。ちょっと調べてもわからなかったんで、簡単な計算をしてみます。基調音とされるラの音がA4でして、これがまあ440hzです。で、1オクターブ上がると周波数が倍になりますんでA5が880hz、A6が1760hzですよね。E6つうたら、それよりちょっと上で、A7=3500hzまではいかない。A7=3.5Khzですよ、20Khzって、いったいどんな音ですか。


えー、ここには、いくつもの教訓というか情報があるんですが、ぼくの関心事項でいくと……


  • あんまり高音域を鳴らされても、中年=オレには聴こえてないかも。倍音とかも
  • 最近、かあちゃんの声が聴き取りにくいことがあるのは、そのせいか?(んなアホな。子どもの声は聴き取れとるわい。だいたい、そらどんな金切り声やねん)
  • 若い人も中年も、やっぱりヘッドホン難聴には気をつけよう
  • 「実証されていない」と言うと「事実ではない」とイコールに聴こえるかもしれんけど、そうとは限らない
  • 「個人的な体験は一般化できない」はもっともなのだが、その道の人に言われると、やっぱり説得力があるなあと感じてしまう
  • ところで小学校の校長先生は、児童の金切り声が聴こえているのでしょうか(でも、15Khz以上しか含まない声なんて、まずないよね?)


世間には、こんな話もあります。


大人には聞こえない着信音(Slash dot JAPAN 2006年06月16日)

高周波数の音は年齢とともに徐々に聞きにくくなるため、おおむね20代後半以降の大人には聞こえないか、ほとんど気にならない。しかし 10代の若者にはかなり耳障りで、店頭に長く居座るなどの迷惑行為を防げるような用途にも利用することが出来るそうだ。若者達はそれを利用して、携帯の着信音に大人の先生には聞き取れないような音を使い、授業中でも堂々と携帯電話の着信音を鳴らせるという。
記事中に、サンプル音源が示されているんですが、ぼくにはそれらしい音は聴こえませんでした(背景音らしい音は聴こえるんだけどなあ)。ほんとになんか鳴ってるんでしょうか、っていう感じ。


ちなみに、音にも錯覚はあるんだそうで、人声の周波数を調べていたら、こんな話を見つけました。


また、音響心理学ではミッシング・ファンダメンタル(Missing fundamental = 失われた基底音)という現象が知られている。これは、音を構成する複数の成分の周波数に最大公約数が存在する場合、実際に含まれないその周波数の音を聴いてしまうこと(例えば2000Hzと1800Hzの純音成分を同時に聴くと200Hzの音を感じてしまう)である。これは内耳などの末梢組織ではなく大脳の聴覚皮質において行われているという説が有力である。このように、「音高(基本周波数)」の認知は、大脳も用いた高次な処理であることが推測される。
(略)
他の人間の感覚と同様に、聴覚にも錯覚が存在し、この「聴覚の錯覚」(Auditory illusion)の結果、音高の相対的な知覚が惑わされる場合がある。これには、「3全音パラドックスTritone paradox)」などいくつかの例があるが、最も特筆すべきなのは「無限音階(シェパード・トーン、Shepard tone)」である。これは、連続の、あるいは不連続の特別な音のスケールが、上昇ないしは下降し続けるように知覚される現象である。


えーと、もう、なにを聞いていて、なにを聞いていないんだか、わかったもんじゃないですね(汗