シャンピニオンを食べることで腸内環境が整えられ、口臭や体臭・便臭などを抑える効果があるという説があるらしい。それを根拠として、シャンピニオン・エキスを配合した消臭製品(健康食品)が、「根拠なし」として公取委から排除命令を出されたそうな。
http://www.asahi.com/national/update/0203/TKY200902030318.html
(魚拓)
排除命令を受けて、各社のサイトはどうなったかを調べてみた。すでに商品を取り下げている会社、品切れにしている会社もある。しかし、まだそのままに見えるところもある。表現に手を加えられているのかもしれないが、公取委の「写し」(末尾参照)と比較してみても、抜本的な変更はない。わずかな字句修正で「積極的に根拠としてはうたっていない(書かれていない『シャンピニオン=消臭効果』を読み取るのは、広告を見る人の勝手)」という状況をつくり、それで足れりとしているかのように見える。それとも、これから変わるケースもあるのか? しばし追ってみたい。
追記 2009.2.5. 00:22
2009.2.5. 00:16 に再度確認。なくなっているページがいくつか。残っているのは、記事で「最大の売り上げ」と書かれている「健康の杜」と、もう1社。記事は残っていて「品切れ中」としている会社もある。
また、この7社ではないが、反論を自社サイトに掲載したメーカーがある。その件は末尾に追記した。
追記 2009.2.5. 00:30
公取委の「命令書」によると、どうやら7社には優良誤認のかどで排除命令を受けたことについての告示義務があるようなのだが、いまのところはっきりそれとわかる形で対応をしているのは1社だけのようだ。
追記 2009.2.5. 14:08
お詫び等が出ているサイトをいくつか確認。各社の項目に追記。見逃していたのかは、なんとも不明。
追記2009.2.6 9:10
原沢製薬工業に2/4付けの告示を発見。反論をアップしていたリコムの名前が出て来た。まだ残り2社には告示が見つからない。どっかにはある&新聞には出した、などの可能性はある。
追記2009.2.8 5:37
変わらず。そういえば2/10だったかに新聞で告示すると書いていた会社もあったな。それしかしない、という選択肢もありなのかな。方法についても公取委に許可を得なければならないはずだけど、それでええのかしら。
健康の杜:
シャンピニオンを根拠とするような説明はない。消臭効果はうたっている。
http://www.kenkounomori.co.jp/km-nioi.html?SESSID=t4n9m80zs87ljcazio2ataq97cqy5xz1(魚拓)
2009.2.5. 00:16 変化なし。
2009.2.5. 13:42 トップページからお詫び記事へのリンクがあるのに気づいた。リンク先は2/3付け。前からあったのか?(汗
http://www.kenkounomori.co.jp/20090203.html?SESSID=n25qbqo3vdfc6d6umirojimwrm2sik3t(魚拓)
弊社としましては、この度の件を真摯に受け止め当該広告表示の是正を迅速に行っております。また、今後は再発防止に向けての社内取組みを強化し、更なるコンプライアンスの徹底に努めるとともに、よりお客様にわかりやすい広告表示を行って参る所存です。うううむ。
※現在当ホームページの「爽臭革命」商品ページにおきましても、今回ご指摘の対象となりました表示を削除し、既に対応済みでございます。
尚、今回のご指摘は商品の安全性や衛生面の問題ということではございませんし、商品自体に欠陥があるというご指摘は一切受けておりません。また、パッケージなどの栄養成分値や表示等は、第三者機関に分析依頼をした正しい数値を掲載しておりますので間違いはございません。ご安心いただきますようお願い申し上げます。
ベンチャーバンク:
商品はすでに見あたらない。
| 「養蜂堂オンラインショップ」
[2009-2-3]シャンピニオンエキス400についてのお詫びとお知らせ(PDF)
http://img01.wisecart.ne.jp/co_img1/yohodonet/file/シャンピニオンエキス400についてのお詫びとお知らせ.pdf
〈経緯といたしましては、調査依頼を受けて以降、当該商品における各種文献などを提示
し、著しく優良と誤認を招くものではないとの見解で理解を求めて参りましたが、提出資
料は合理的根拠を示すものではないとの判断を受け、本日に至りました。〉
根拠になるつもりでいたのか、形式的にそろえてみせたのかはわからないが、根拠とは認められなかった。他社の場合はどうなのか、気にならないでもない。
しかし、このファイル名はどうなの。容易にリンクできないじゃない(汗
グリーンハウス:
「天然の消臭成分“シャンピニオンエキス”」のコピー。
グリーンハウス-健康食品通販のグリーンハウスはニオイの悩み対策サプリ、青汁の会社です(魚拓)
2009.2.5. 00:16 変化なし。
2009.2.5. 13:47 やはりトップページからお詫び記事へのリンクがあった。こちらも2/3付け。
グリーンハウス-健康食品通販のグリーンハウスはニオイの悩み対策サプリ、青汁の会社です(魚拓)
本文に続いて、下記の9項目の説明がある(表記はコピペによる)。
具体的にどういうことなのか?(今回の指摘内容)記述に納得するかどうかはともかく、事例として興味深い。
広告表示は虚偽だったのか?
商品に消臭効果はないのか?
商品の成分・品質に問題はないのか?
排除命令について事前に知っていたのか?
商品の販売中止になるのか? 業務停止になるのか?
注文したばかりだが返品したい
今後の対応はどうするのか?
2009.2.6. 09:20 告示からのリンク先に「根拠」とされる記事(リコム社の論文。『Food Style 21』vol.1 No.5 別刷り)があることを確認。
シャンピニオンエキスの腸内消臭と生理作用|グリーンハウス-健康食品通販のグリーンハウスはニオイの悩み対策サプリ、青汁の会社です
事例数は数件から数十件。
環境研究センター「検査結果証明書」(PDF)
成分調査の証明だが、農薬等350種類の有害物質については「検出せず」という内容のもの(1種類「276 プロクロラズ」だけは「0.12ppm」検出)。
DHC:
商品「シャンピニオン」そのものはすでに見あたらない。お詫び等は見あたらない。
シャンピニオンエキス配合をうたう、消臭効果のあるペットフードは残っている。DHCオンラインショップ|化粧品・健康食品・ファッション
また、サイト内のサプリメント小事典の記述には残っている:DHCサプリメント研究所(魚拓)
2009.2.5. 13:56 2/4付けで「謹告」を掲載されていることを確認。トップページからリンクあり。ううん、こんなに軒並み見逃すかなあ?? 特にここはサイト内検索もして探したんだけどなあ……。まだ検索データベースに反映されてなかった可能性はあるけど。
http://top.dhc.co.jp/contents/guide/net_info/info_20090204.html(魚拓)
協和:
トップページ:コラーゲン ヒアルロン酸 プラセンタなどの美容ドリンク・健康食品販売 協和ショップ
効能は書かれていない(目的不明な感じになっている)。
シャンピニオンミラクル200 | コラーゲン ヒアルロン酸 プラセンタなどの美容ドリンク・健康食品販売 協和ショップ(魚拓)
2009.2.5. 00:16 なくなっている。お詫び等は見あたらない。
2009.2.5. 13:58 まだ告示は見あたらない。サイト内検索でも ヒットしない。
2009.2.6. 09:02 変わらず。
2009.2.8. 05:33 変わらず。
デイ・シー・エス:
トップページ:
スメルナースは「品切れ中」の表示。消臭効果というか「ニオイが気になる方にオススメするエチケット食品」とされ、シャンピニオンエキス配合はうたっている。根拠に関する説明はない。
http://supplement.belmo.com/item/4582119640200.html(魚拓)
2009.2.5. 00:16 変化なし。お詫び等は見あたらない。
2009.2.5. 13:58 まだ告示は見あたらない。サイト内検索でもヒットしない。
2009.2.6. 09:02 製品ページがなくなった。告示はまだない。
2009.2.8. 05:35 変わらず。
原沢製薬工業:
原沢製薬工業株式会社トップ>健康食品>さわやかエチケットとたどると、製品が確認できる。「リニューアルして再上掲をしました。恐れ入りますが、下方にスクロールをしていただくと、リニューアル品をご覧いただけます。」とあるが、なんのことやらよくわからない。
2009.2.5. 00:16 なくなっている。お詫び等は見あたらない。
2009.2.5. 13:58 「爽やかエチケット(錠剤)」が現在もあることを確認。同じもの? 告示は見あたらない。サイト内検索でもヒットしない。
2009.2.6. 9:05 告示を発見。2月4日付。「知ってお得な情報」にあった。
http://www.harasawa.co.jp/cgi-local/cgi-bin/newslist.cgi?mode=detail&no=000000000000095
弊社は「シャンピニオンエキス」の原料メーカーである「株式会社リコム」からは、「エビデンスが揃っているので問題ない」との説明を受けて商品を販売していました。ここでリコムが出て来るわけか。
参考資料
国際シャンピニオン研究会
本家筋なのかどうかは不明だが、消臭効果についても数人程度の調査に基づく説明がある。
公取委報道発表資料(本文はPDF、「別添写し」は実際の広告など)
平成21年2月3日:シャンピニオンエキスによる口臭・体臭及び便臭を消す効果を標ぼうする商品の製造販売業者に対する排除命令について
シャンピニオンエキスによる口臭・体臭及び便臭を消す効果を標ぼうする商品の製造販売業者に対する排除命令について 22KB
・排除命令書(株式会社健康の杜) 13KB
・別添写し
・排除命令書(株式会社ベンチャーバンク) 13KB
・別添写し
・排除命令書(グリーンハウス株式会社) 13KB
・別添写し
・排除命令書(株式会社ディーエイチシー) 12KB
・別添写し
・排除命令書(株式会社協和) 12KB
・別添写し
・排除命令書(株式会社デイ・シー・エス) 12KB
・別添写し
・排除命令書(原澤製薬工業株式会社) 12KB
・別添写し
http://www.cml-office.org/archive/1233706369256.html
追記 2009/02/05 00:11
公取委資料によると、7社ともに資料を提出しているが、いずれも根拠と認められなかったとのこと。
それとは別に、A-WINGさんのブコメで知ったが、今回の公取委の判断に反論しているメーカーがあった。
シャンピニオン CHAMPEX 、キノコキトサン(キトグルカン)---株式会社リコム(魚拓)
平成21年2月4日末尾「シャンピニオンエキス有効性資料」には、提出した資料名も挙げている。リストを一読した限りでは、すべてが検討に値する文献とは思われないが、なかには学術論文と思えるものもある。ただし、論文らしきものには自社の研究論文や業界紙・誌、学会発表なども含まれており、個々の論文のクオリティまではわからない。
株式会社リコム
シャンピニオンエキス配合商品について出された排除命令についてのリコムの見解
また公取委は、リコムの提出資料についても根拠と認めなかったのかどうかは、報道や公取委の資料からはわからない。リコム社が排除命令の対象に入っていないのはなぜか。とはいえ、直接的に関係のあるものを対象外にしておいて、他社製品との関係については黙殺したとも考えにくいのだが。