PSJ渋谷研究所X(臨時避難所2)

はてダ http://d.hatena.ne.jp/kamezo/ からインポートしただけ

名医の誤診率

  • すれ違う前提 (医療編) - Chikirinの日記
    それは、ある高名な医師の方が退任することになり、大学で最後の記念講義をされた時のことだ。その方は記念講義を聴きに集まった多くの教え子達(大半はベテランの医師、研究者)に向かって「今までの自分の誤診率は約12%であった。」と話されたらしい。*1

Chikirin氏のこのエントリではこの話は枕に過ぎない。脚注でも「数字はうろ覚えです。たしかそれくらいだったと思います。いずれにせよ詳細が不明なので数字には意味はありません。」と書かれている。本題はその後、「医療分野の専門家と一般人のもつ前提がすれ違っているかもね、と思われる場合」の話。が、どっかで見た話だなと思って改めてググった。


「名医 誤診率」でググると、かなりあちこちで引き合いにだされている話だということがわかる(ついでながら、やっぱりChikirin氏が言うように「医者が聞くと『それは低い』と反応し、一般の人が聞くと『それは高い』と反応した」という話になっていることが多い多そう……に思ったけどよくわからん)。


ぼくがかつて読んでいたのは,トップに来るこれだった模様。

  • いわゆる名医と言われる人たちの誤診率は何%か?そして、真弓定夫先生は?: 食と健康
    では実際に名医といわれる方たちに「誤診」はあるのか?名医中の名医と謳われた、東京大学医学部の沖中重雄教授が退官講義(1963年)をした時、自分の誤診率を発表して世間を驚かせました。その誤診率は何と「14%」でした。「名医でこの数字!普通の医者だったら・・・」と国民は不安を覚えたのです。しかし、同じこの数字に「さすが名医!」と驚いた人たちがいた!それは普通のお医者さんたちでした。普通のお医者さんたちの誤診率は当時「30%台」だとか・・・。今の医者は患者を診ないでパソコンのデーターを見て診断を下します。パソコンに自分の体を診断させるなんてことは出来れば避けたいです。

で、真弓定夫先生は誤診はほとんどない、と続く。


なにしろ、1963年とかいう古い話だ。40年前ですよ。現代の眼で見ると、この12%とか14%とかいう話はどうなるのか。「沖中重雄 退官講義」でググったら下記がヒット。

  • 20世紀のわが同時代人 沖中重雄/三浦義彰 千葉医学会
     沖中先生というとすぐに思い出すのは最終講義に話された自分の誤診率は14.3%であった、 という数字である。これは生前の診断と死後の病理解剖とが不一致だった率である。 これはあくまで病理解剖が正しい診断だという前提に立ったもので、私は必ずしもそうは思っていない。特にこの頃は臨床検査の方法も1964年当時よりは進歩しているのでいまは生前の診断がかなり正しいものになっていると考えられる。

そもそも、なにをもって誤診と言っていたのかが、伝わっていないような……。


なんてググりなおさなくても、実は2番目にくる記事を読んでも、近いことはわかる(この記事では、もちょっと興味深いこともわかる)。

「昨年」というのは、多分2005年でしょう。近頃はガンの場合、名医じゃなくても12%だ、という話にもできるし、現代の技術をもってしても12%でしかない、という話にもできる。

ちなみに、名医 誤診率の検索で何件の記事がヒットするのか。Googleは「約 23,300 件」なんて表示してるけど、めくってみると激減したりするからめくってみた。途中から「率」がつかない記事も入って来て、意味がなさそうなのでやめた。「名医 "誤診率"」だと「約 377 件」。多いんだかなんだかわからなくなりました(-_-)


めくってる途中でこんな記事を見つけた。

  • カワナミレンダリン 2006.2.2まで
    有名なお医者さんが引退なさる時、
    「誤診率は、何パーセントですか?」と聞かれて、
    「60パーセント。」と答えたとか。
    つまるところ、40パーセントしか、正解でないわけよね。
    でも、ね、そう名医が答えた時、
    「ホォ〜」と、みんなが。
    つまり、正解が40パーセントでも、すごいわけだ。

    (2004.3.23)

40年で激しく増えているようです(爆)