PSJ渋谷研究所X(臨時避難所2)

はてダ http://d.hatena.ne.jp/kamezo/ からインポートしただけ

食品偽装、リフォーム詐欺など「増加中」なのか?


今年の上半期だけで昨2008年の検挙数を上回った、昨年に続き最多記録を更新だと報じられている。食品偽装「だけ」に着眼しているメディアや、リフォーム詐欺の増加と被害者に高齢者が多いことにまで言及しているメディアなど、会社によっていろいろで興味深い。

いわゆる認知数の増加というやつなので、特に「02年度から統計を取り始めた」という食品偽装なんか、「増えちゃって困ったものだ」なんだか、「順調に検挙が進んでいてめでたい」なんだか、皆目分からない。そういう意味では、この発表と報道にどういう意味があるのか、なかなか微妙ではある。そんな話をしているメディアは今のところ見つけていないが、きっとそれは報道ではなくニュース解説とか言うもので、これから出てくるのだろう。


ちなみに、今年3月にも、2008年が過去最多だ今年はどうなると記事が出ていたらしいが気が付かなかった。


産地偽装、用途偽装、リフォーム詐欺のどれが最も重大だなんて議論はなかなか難しいものがあるけれど、食品関連の事件について言えば、健康被害が出たとかそのおそれがあるというような話は少ないんだなあ(07年の冷凍餃子ぐらい?)、品質をごまかしたにしても、まるで違うものを売ったとかいう話だって少ないよなあ、ということだ(ミートホープって、いつだっけ?)。


半年で45件は多いのだろうか。まあ、少なくったってダメなものはダメだし、健康に害のあるほどではないにしても消費期限を超えたものをどうのこうのなんて話も、ウソでズルだってことに違いはない。でも、どれほどウルサくてみんながちゃんとやる時代になっても、がっつり調べれば年に数十件だの100件だのぐらいはウソやズルをしている業者が見つかっちゃうんじゃないかな、なんてことも思ったり(食品業者って、きっと何十万社もあるよね?)。


今やぼくらは、もはやほとんど品質に差のないものを選んでいるのだ、付加価値に金を出しているのだ、なんてことまで言ったら言い過ぎだよね、きっと。そうは思うものの、疫学嫌いの養老先生が書いた『唯脳論』なんかを思い出しちゃったりもするのだった。


もっとシャレにならないほどの不況(っていうのも変だけど)が来たら、もっとウソまみれの無理矢理な食品が町にあふれて、安いからって買ったら健康被害に遭う人だの病人だの死人だのが山のように出て、でも貧乏な人がそんな目に遭うのは当たり前すぎるってこちで、ニュースバリューがないから全然報じられない、なんてことになるんだろうか。ぼくらは、そんなところまで引き返すことが、本当にできるんだろうか?(できるんだろうなあ……)そういえば、セブンイレブンの見切り品を安く売りたいお店と本社の対立って、その後どうなりました?