PSJ渋谷研究所X(臨時避難所2)

はてダ http://d.hatena.ne.jp/kamezo/ からインポートしただけ

WHOの「コロナは消えないかも」はトランプへの反論か?

友人が言及していたので、WHOが「コロナは消えないかもしれない」というメッセージを出したことを知りました。

www.asahi.com

友人が「消えるわけないじゃん」と言及していたので知った。で、ちょっと調べてみたら、どうもトランプ大統領の発言への反論だったんじゃないかと思うに至った、という話。

 この報道、そんなに注目されているわけでもないんだけど多くの媒体で報じられている。Googleニュースで見るとうじゃうじゃ(配信記事も含まれてるからですね)。

f:id:kamezo:20200514202220j:plain

Googleニュース「WHO コロナ 消えない」での検索結果

各社「消えない」「根絶できない」「消滅しない」など言葉はまちまち。

前出の友人もだけど、この報道に対して「消えるわけねえだろ」「むしろなんで消えると思った」みたいな反応も少なくない(ていうか「えっ、そうなんだ!?」みたいな反応は見なかった)。そりゃそうよね。

オレも「消えるわけないじゃん」とは思ったんだけど違和感もあった。
「なんで各社の用語が違う?」「WHOはなんて言ったんだ?」

んで、英語でググってみたら「may never go away どっかに行ったりしないかもしれない」と言ったらしいのね。「どっか行く」って、もっとねえわ。

Google翻訳だと「消える」になるのね。一般語のようだから、各社の表現が「消える」「消滅する」「根絶する」とバラついたのもわかるような気がする。

とはいえ。なんで「go away」なんだ? 平易な表現を選んだのか? そもそも根絶されたら、ウイルスは「消えた」ことになるのか? 「根絶」って英語でなんていうんだ? も少しググったら、こんな記事を見つけた。

28.ワクチンによるウイルス感染症の根絶(1):はじめに | 一般社団法人 予防衛生協会

第1段階:制圧(control)
第2段階:排除(elimination)
第3段階:根絶(eradication)
 

 なのね。ほほうcontrolは「制御」じゃないんだね(根絶したらウイルスなり病原体は「いなくなる」のかどうかはわからんかった)。

さて、WHOはなんで「排除(elimination)」「根絶(eradication) 」というはっきりした語彙を使わなかったのか? 平易にするためもあるかもしれない。でも「そのうちどっか行っちゃうよ」みたいな楽観論(日本にもあった「季節性インフルエンザみたいに春になったら流行は治まる」みたいなの)が広がってるのかな? と考えてたら、ふと「誰か有名人がgo awayって語彙で言及したんじゃね?」と思いついた。言いそうな人も思い出した。

ググったらビンゴだった。トランプ大統領が最近「そのうちどっか行く」てな発言をしてたのね。たとえば下記の動画で確認できる。

f:id:kamezo:20200514215247p:plain

トランプ大統領の「go away」発言

 

f:id:kamezo:20200514215108p:plain

トランプ大統領の「go away」発言

動画の公開日は2020/05/09だけど、いつの発言かは書かれていなかった(見落としたかな?)。各社の表現は、この発言を報じた時の表現に準じたのかなと思いもしたが、そこはわからなかった。

けどまあ。ということはですね、時系列的には

1)比較的最近、トランプ大統領が「go away」という語彙で「新型コロナウイルスなんかそのうちどっかに行く」という主旨の発言をした

2)5/13にWHOが「どっか行ったりしないかも may never go away」とメッセージ

という流れであると。

WHOのメッセージの主題は「may never go away」よりも「我々は新型コロナウィルスと今後もずっと(少なくとも数年単位で)つきあっていくことになるだろう」「しかし、絶望するには当たらない。根絶できていない感染症はいろいろあるし、それでも我々は当初ほどは恐れないで過ごせているでしょう?」というところにあるのだろうとは思う。が、しかし、わざわざ「go away」という語彙を選んで言及したのは、ひょっとすると、このトランプ発言を意識してのことではないか?と思っちゃったよね。

WHO側の実際の発言を動画とかで確認はしてないけど、「トランプ大統領がこう言ったけど」とかは言ってないんだろう。言ってれば、メディアがそんなおいしいところを落としはしないだろうから。もちろん、僕が知らないだけで、これはごくありふれた表現であり、巷間で「新型コロナなんて、そのうちgo awayするに決まってんだろ」的な主張が広まっているって可能性もある。でも、もしもそうだったら、別にはばかることはないだろうから、WHOははっきりそう言及しそうだし、メディアもそう報じそうな気もする。

こんなことを調べていたら、別のニュースが目に入った。

www.nikkei.com

WHOへの再反論かと思ったら違った。これ↓への反論だった。

www.nikkei.com

トランプは4月下旬から「来たとしても抑え込める小規模なものになるし、全く来ないかもしれない」てな発言をしていたらしいから「そりゃそうか」な気もする。WHOに対しても「なに言ってんだ。そのうちgo awayするに決まってるだろ!」と再反論するのかな……。

なんてアメリカの心配をしている場合じゃないけど、ちょっとおもしろかった(不謹慎)ので記録しておく。

※「go away」ばっかり気にして「may」をすっかり忘れていたので、ちょっと修正。OSATOさんに感謝。