PSJ渋谷研究所X(臨時避難所2)

はてダ http://d.hatena.ne.jp/kamezo/ からインポートしただけ

解熱剤や風邪薬はいらない?


「渋研」改め「九段下研」の次回のお題は「インフルエンザとタミフル」。季節ネタですね。11月20日発売号に掲載予定。で、いつものことながら書きたいけど盛り込みきれなかった話と言うのはそこそこあって、そのひとつをここでご紹介。


原稿中では「むやみな解熱剤の使用は問題だ。40度が目安」「ただしインフルエンザでは解熱剤や風邪薬の使用は、むしろ危険」といった主旨のことを書きました。これに異論がある人はそうそういないはず。
が、なかにはそれどころか「解熱剤は、どんな場合でも無用。多くの場合には有害」と言っているお医者さんもいてはります。つまり「解熱剤無用論」ですね。ついでに「風邪薬無用論」も展開されてます。


「解熱剤」考(医薬分業のすすめ)
http://www2.nsknet.or.jp/%7Es-yoshi/netu.htm


長くてリンクがいっぱいあって、全部読みこなすのは大変です。なので、「解熱剤は不要」と聞いて「え?」と思った方は、本文をナナメ読みぐらいしてみてください。「その話、聞いたことあって気になってた」という方は、リンク先も含めてちゃんと読む価値があると思います。


臨床医の方の、しかも経験にのみ基づく意見というのはどう評価していいのか迷うところではあります。このWebページの場合、ご自身でそう書いてるし。だから、あくまで「専門家のなかにも、そういう意見がある」と受け止めるしかないですね。
しかし、かなり説得力のあるお話だと思いました。


ボクはもともと、自分のことであれ子どものことであれ、「発熱しても一晩ようすを見て、それでも熱が下がらなかったら、なんかヤバいもんかもしれないので受診する。解熱剤が必要なら医者が処方する。家で高い売薬の解熱剤を使う必要はない」というぐらいでよさそうだなあ、とは考えていたのです。
とは言うものの、実際つらいほどに熱が出ているときには、本当になにもしなくていいのか、熱でどっかがどうにかなってしまったらどうするんだ、という迷いもあって、ついつい使っちゃうんだけどね。いろいろ悩ましいところでした。


そしたら、発熱時にどうすればいいのかかが、上記Webページの末尾にありました。

暑がったら冷やす、寒がったら温めるが基本ですが、それを表現できない小さいお子さんの場合は体を触って判断します。手足が冷たければ体温の上昇期です。この時寒気を感じています。温めてください。手足がほかほかのとき、わきの下に手を入れます。じっとりぬれておれば温めすぎです。1枚脱がせるか、冷やしてあげます。わきの下がぬれていなければちょうど良いと考えていいでしょう。体温の下降期には汗をかきます。このときは涼しくしてください。
だそうです。
「栄養」「休養」「暑ければ冷やす」「寒ければ温める」「幼児は手足やわきの下を触って判断」こんだけってことみたいですね。


実は、つい昨日、目覚めたら急な頭痛と悪寒に襲われました。熱はなかったし、鼻水も咳もなかったんですけど、すぐに「昨夜、湯冷めしたんだ、風邪だ」と見当がつきました(インフルエンザに関するギャグなど考えていた祟りではありませんってば)。


つらくて気持ち悪くて起きていられない。横になっても、頭痛と悪寒のために、布団をかぶってうなっているしかない(しんどいと、なんでか声が出ますよね)。風邪だとしても、「(1)栄養を取って(2)暖かくして(3)眠る」の(1)と(3)ができない。
しょうがなくて心もとなくて、市販の風邪薬を飲んじゃいました。解熱剤も入っているのはわかってんですけど、なんとなく鎮痛解熱剤って書いてあるのを飲むよりはましかなあ、なんて思って。
服用したら二時間ほど眠れたのはプラセボか、薬が効いたのかはともかく、起きたらかなりすっきり。卵おじやを作って食べたら汗をかいたので、着替えて再び眠りました。夕方には完全復調。


これ、上記Webページのいう

A:軽症のタイプで解熱剤を使っても使わなくても数日で治ってしまう。頻度的に1番多いタイプで、一晩で自然に解熱することも多い。このタイプは解熱剤はたしかに効く。副作用も出にくい。しかし解熱剤なしでも治る。医者にも来なくていい。
なんだろうなあ。あのまましばらくうなっていればよかったのかな。そのうちには疲れて眠れたのかしらん。


現代人は「なにか異常が起きたら手を打つ」のが当然だと思っていて、「どうすれば熱や痛みが取れるか」を知っています。こういうときに発熱や痛みや身を任せるのは難しいですねえ……。タバコがやめられない意志薄弱な私だからかなあ……。