PSJ渋谷研究所X(臨時避難所2)

はてダ http://d.hatena.ne.jp/kamezo/ からインポートしただけ

被告は出廷を拒否?


なんだか陰謀論に似ていると思ったもの。


ネブラスカ州議会議員が神を提訴(WIRED VISION 2007年09月20日/.J「アメリカの州議会議員が神を提訴」経由)

 ネブラスカ州議会議員のErnie Chambers氏(オマハ市選出、民主党)が9月14日(米国時間)、神を相手に訴訟を起こした。
 全能なる神とその信者に対して、テロの脅威を止めるよう命じることを裁判所に求めている。
ある種のデモンストレーションなんだろうとは思うのだけど、なにが目的なのかよくわからない。これは行政訴訟とか「迷惑行為をやめるよう求める民事訴訟」とかいうのに近いのかなあ。日本の訴訟法とは全然違うのかもしれないから、こんなことを考えても意味ないのかもしれないけど(いやいや、神を訴えている段階で、なにを考えても無意味か?)。
あ、そうか。多分、被告が出廷することは期待してないよね、この議員さん。てことは、日本の民事訴訟のように、被告が欠席したので原告の主張を全面的に認めたことになる、なんてことがあるのかな(だから考えても無意味だってば)。


記事の後段には、この訴訟が訴状に書かれているのとは別の目的もあることを示されている。

 ネブラスカ州のローカルテレビ局『WOWT』は、Chambers氏が訴訟を起こした背景には、州法がいかなる理由でも訴訟を起こす権利を認めていることを再確認する意図があったと伝えている。
「いかなる理由でも訴訟を起こせる」というのは、ものすごい社会だ。「公益あるいは私権を脅かす」とかいった理由はなくてもいいっていう意味だよね、きっと。
実のところは、単に私闘を禁じるような意味合いでこういう法律ができたのかもしれないし、判決を下す際には公益や私権に配慮されるんだろうけど、これはすごい。「となりのオヤジが気に入らん」とかいう理由で訴えることができるってことだもんね。無茶苦茶にならないのかしら(って、現になってるように見えるけど)。
 この訴訟は、Chambers氏が「あなたがどこにいようと構わないから、いるなら出てきてください」と呼びかけて神に姿を現してもらおうと努力したが、多くの被告人がそうであるように、神は呼びかけに応じず、結局原告は裁判に訴えるしかなかったということを示している。
もちろん、被告が出廷しなかったからといって被告の不存在(神はいない)が証明されるわけではないよね。「裁判所の呼びかけにも応じなかった」というだけだもんね。


しかし、どこを見て「陰謀論に似ている」と思ったのか、自分でも判然としない。前提がおかしなところか、目的がわからないところか、常人には論理を追えないところか、それらすべてでありながら本人は「筋が通っているつもりだ」というところか。