PSJ渋谷研究所X(臨時避難所2)

はてダ http://d.hatena.ne.jp/kamezo/ からインポートしただけ

「マイナスイオンは負の大気イオン」では片付かない


そういえば、きっと今月20日には『家電批評』の4号が出るのです。
前にも書いたけど、今回はマイナスイオンです。


で、記事には入れ込めなかった事例を思いだしたので、こっちに書いておきます。と言っても、打ち合わせ用のMLで書いたことをコピペするだけですが(汗


まず、担当編集さんから、マイナスイオン製品について「ヨドバシのサイトで検索してもかなりの数がヒットします」と、下記のURLが提示されまして。
http://www.yodobashi.com/enjoy/search.jsp?narrowtype=%90%B6%8A%88%89%C6%93d&key=%83%7D%83C%83i%83X%83C%83I%83%93&go2=%8C%9F%8D%F5


いま表示してみると、各製品カテゴリーごとに、こんだけの製品がヒットします。

デジタルカメラ(112) フィルムカメラ(14)
パソコン(2) パソコン周辺機器(3)
パソコンサプライ(35) AV機器(110)
生活家電(395) ゲーム(2)
ホビー・おもちゃ(3) 時計・ブランド(7)
健康・スポーツ(272) オフィス・ビジネス(43)
重複してヒットする仕様なので、これだけの数の製品があるわけではないけど、でも、多いよね。


で、それを受けてみんなであれこれ語っている中で、あたしがこんな話を投稿しています。

At 7:53 AM +0900 07.11.1, KAMEO Atsushi wrote:
ヨドバシではマイナスイオン計測器も買えます。
7万円台の手持ち式。
http://www.yodobashi.com/enjoy/more/i/4090798.html


ところが、メーカーのサイトでは
マイナスイオンとは書いていない。
http://www.andes.co.jp/exec/viewService.do?path=/home/product/ctAirIon/srzInti/prdItc201a


「正負の大気イオン」を計っていると称しています。
これ自体は、本当にそうなのかもしれない。
いわゆる「怪しい製品」じゃないかもしれないと思うんです。


でも「プラスイオン」と言っちゃったら、
マイナスイオン業界」ではダニなんかも入っちゃう。
ふつうの人にとっては、なにを計っているのか、
こうなるとナゾな計測器のはずなんだよね。


このことだけからも、「マイナスイオンは商業語」
「実態は大気イオンのこと」と言うだけでは
なんの解決にもならないのは明白です。

ヨドバシは、もちろん、負の大気イオンと「いわゆるマイナスイオン」がイコールだと考えているから、ああいう説明になる。
計測器を作っているメーカーもその点では同じで、だからだと思うけれども効果については「いわゆるマイナスイオン」の話をしている。
だからこんな説明をしているページもある。
負イオン効果
独自開発のinti-fion方式<日米特許取得>を使用。


オゾン、電磁波の発生を限りなくゼロに抑えました。自然界のイオンバランスに近づけることにより、リラックス・集中効果が得られます。
http://www.andes.co.jp/exec/viewServiceDetail.do?id=22357

じゃあ、「負の大気イオン」で「リラックス・集中効果」を得られるのかっていうと、それはわかってないわけで。
いや、研究されてないとは言いませんよ。しかし、確認されてはいない。


でも、ほかの製品カテゴリのものが、みんな同じ「負の大気イオン」のことを言ってると、考えられますか? セラミック炭がマイナスイオンを出すとか、マイナスイオンが汚れを落とすとかうたってるものだってあるわけで。ドライヤーのふんわり感とかもそうですけど、これを混乱と言わないで、なにを混乱というのだというぐらい、話がよじれています。「マイナスイオンは商業語」「実態は大気イオンのこと」なんて言って済ましてしまうと、購入者だけじゃなくて、お店もメーカーも迷惑でしょうよ、ってぐらいです。


というようなスタンスで、「マイナスイオンの話はぜんぜん終わってないよ」という話をしているのが『家電批評monoqlo』4号の「PSI九段下ニセ科学研究所」ってなこってございます。よろしく。