PSJ渋谷研究所X(臨時避難所2)

はてダ http://d.hatena.ne.jp/kamezo/ からインポートしただけ

「究極の血液型心理検査」とバーナム効果


いやもう。度肝を抜かれました。なににって下記のサイトにです。


<お知らせ>
http://www.senrigan.net/bloodmind/

このアドレスには「究極の血液型心理検査」というサイトが掲載されていました。


「小説『ブラッドタイプ』の中で用いられた原理に基づく、9割近くの人が『当たっている』と信頼を寄せるサイト」と紹介されていました。


上記紹介文に、間違いはございません。


97日間のサイトの訪問者数はのべ4,835,812人、うち心理検査後に「当たっている」と回答された方は4,326,342人です。
(※途中で操作を中断せず、最終ページまで到達された方に限り算出しております)


サイトの最終掲載日、2006年9月11日迄に、ブログなどで「当たってる」と紹介されている記事を見かけた方も多くおられたことでしょう。


アメーバブログのクチコミでも1位になりました。


なお、このサイトには英文でバーナム効果による」という注釈もついておりました。


上記結果が、何を表しているのかお知りになりたい方は、この下をご覧ください。

ぜひ、上記サイトの「この下」をご覧ください。んでも、その先のリンクはお好みで(^^;;


最後の最後には、下記にたどり着きます。


「ブラッドタイプ」松岡圭祐
http://www.senrigan.net/menu/cm6/index2.html


徳間書店の書籍の宣伝なわけです。こうやって記事にすること自体、ノセられているとは思いつつ。
いや、血液型性格判断疑似科学だとかバーナム効果だとかを広く知ってもらうのはいいんです。また、「血液型で性格が変わるというのはデマ」ってコピーもとりあえずスルー(ストーリーの都合上、こういう表現なんでしょうけど「血液型で性格がわかるというのは」とか「血液型が異なると性格が異なるというのは」とは言わないのね)。
問題のひとつは、これがフィクションの宣伝だということ。もうひとつは、「わかっててダマしました」に見えるというか、ダマされたと思って怒っちゃう人が大量に出そう(実際にはダマしてないです。意味はわからなかったにしても、どういうものかの説明はしてある)。
これでこの小説が売れなくてもいいんだけど、「『血液型で性格がわかる』という主張はデマだ」というフィクションだとか、そういうことでダマした広告ってことになると、信奉者と懐疑論者のどっち陣営にダメージが大きいんだ、ってことで。


いやあ、賛否両論になってさらに混迷しないといいなあ(汗


以下、投稿後の追記
こんな画面だったのかな(上記サイトの画像に直リンク)。
http://www.senrigan.net/bloodmind/test1.jpg
だとすると、信じちゃった人って……下の説明は見てなかったんだね。この画面を経由せずに「ニセ占いページ」に直リンクで行っちゃったとか、かな。経由してたなら、かなりうかつな話ではあるなあ。


ちなみに、あたしのネタ元は、下記のプレスリリースです。

PRESSNET■9割が信じたネット血液型占い 実はトリックだった [IT・情報][情報提供]
配信日時 :2006-09-12 14:43:06
送信者 :徳間書店 [担当者名はなんとなく伏せておこう]
http://www.pressnet.tv/log/view/8354
(前略)9月11日のアメーバニュースでは、記者が「究極の血液型検査 9割が当たっている」と題し、報道として配信、人気は過熱ぎみとなった。
同記者はサイトに記載されていた説明をまじえ「松岡圭祐著の小説『ブラッドタイプ』で解説された『非常に当たる』と評判になったオンライン心理検査を血液型性格判断を基盤に再現したサイトがある。WEBサイト『究極の血液型心理検査』では、いく つかの心理テストと血液型をクリックするだけで、あなたがどんな人間かを教えてく れる。診断後には『当たっている』と回答した人の割合が出るのだが、記者が9月11 日朝9時8分に試したところ、実に91.2%の高率だった」と書いた。
この記事はアメーバニュースのトピックスにも掲載された。


ところが、小説「ブラッドタイプ」に登場するオンライン心理検査とは、じつは選択 肢に関係なくランダムに結果が表示されるものを、8割以上の国民が信じてしまう、 という内容。
つまり「究極の血液型心理検査」の解説に嘘偽りはなかったが、記者は同サイトの下 方にあった小説の説明も読まなかったようで、よく当たる占いページとして紹介して しまったらしい。このように、マスコミがあまり事実を確かめずに報じることで迷信 が喧伝されてしまう怖さも、まったく小説のストーリーの通り。 (後略)

「マスコミがあまり事実を確かめずに報じることで迷信 が喧伝されてしまう怖さ」ってあたりでトホホ度倍増ですわね。
プレスリリースで紹介されている〈アメーバニュース「究極の血液型検査 9割が当たっている」〉のコメント欄を見ると、種明かしを読んでない人がかなりいて、なんか暗然とした気もちに。


このサイトのことはすでにWkipediaの「血液型性格分類」や「バーナム効果」の各項で「バーナム効果の実証サイト」として紹介されている(ともに2006年6月15日版以降)。その筋では有名だったんかな。