PSJ渋谷研究所X(臨時避難所2)

はてダ http://d.hatena.ne.jp/kamezo/ からインポートしただけ

メモ:区別がつきにくいかもしれないあれこれ


断片的メモです。


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陰謀論者と懐疑論者はなにが違うのかということが、mixiの「懐疑論者の集い-反擬似科学同盟-」というコミュニティの「「自身を懐疑論者と思いこむ陰謀論者の傾向と対策」」というトピックで話題になってる。


んで、懐疑論者と陰謀論者の関係って、ニセ科学批判者と「科学的手法の遵守という文脈からニセ科学批判を牽制する人」の関係に似てるような気がします(気のせいかもしれない)。


あ、懐疑論者や陰謀論者がニセ科学批判者や「牽制する人」に似ているというわけではない。それどころか、懐疑論者がニセ科学批判者や「牽制する人」である場合は、とっても多そう。ぶっちゃけ、陰謀論者というのは「呼ばれる名称」であって、自称陰謀論者は少ない(あるいはいない)だろうから、見ようによっては陰謀論者は「ニセ懐疑論者」であって、「ニセ科学な人」の相似形だなんて話も成立しそうだし。
なにしろ、あくまで懐疑論者)と陰謀論者)の「関係」と、ニセ科学批判者)と(牽制する人)の「関係」が似ているような気がするという話ね。


AからDのどれにしても、近くから見てるから違いが分かるのであって、よそ(あまり関心を持ってこなかった人)から見ると同じようなもんに見えそうです。陰謀論者は本人も懐疑主義だと思っていたりすることがあるようだから、遠くからはなお区別しにくそうだし。


この4者を区別できるかどうかということは、あまり本質的ではないとは思う。でも、実はこれが区別しにくいということは、ふつうの人にニセ科学と科学が区別できないのは当たり前ってことになるのかも。
つまり、科学的かどうか、あるいはロジカルかどうか、合理的かどうかを大して気にしてこなかった人にとっては、「理屈っぽければみんな一緒に見える」のが当然なんでしょうね。今さらですが。


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近くで見ている立場からすると「牽制する人」でさえも、いくつかの分類方法があるように思います。試しにちょっと分類してみましょう。


(1)【動機1】「すべては仮説なので、なにごとも断定させまいぞ」という立ち位置の人(これが「極端な相対論」かな)
(2)【動機2】ニセ科学批判者を科学万能論者と同一視して、それは釘を刺しておかねばと考えた人
(3)【傾向1】ニセ科学疑似科学未科学、非科学を区別しようという気はあまりない人
(4)【傾向2】その区別に徹底的にこだわっていて、その線引きのしかたで合意できないからニセ科学批判に批判的になってる人


分類の軸が違うので、(1)と(3)の両方に属する人だとか、そういう合わせ技ももちろんある。当然ながら、もっとほかの分類法もあるに違いない。でも、遠目に見ている人にとっては、そんな違いはわからないとか、そんな違いには興味がないって場合がありそうです。あ、それどころか、ニセ科学批判者であってさえ、上記の区別を気にしていない人がいるかもしんない。


「牽制する人」自身は「ニセ科学疑似科学未科学、非科学」と科学を区別することはできるに違いないんです。自身もニセ科学批判者である場合さえあるだろうと思います(この場合、批判のしかたがかみ合わないだけ、ということになるわけですね)。こうなると「批判者」と「牽制する人」は傍目には仲間割れとか亜種同士みたいな関係なので、いよいよ区別が難しくなる。


(1)や(2)の動機による牽制(「ニセ科学批判」批判)はもちろん善意の忠告なのだけど、(2)の場合は「その科学万能論者はあなたの脳内の存在であって、現実のニセ科学批判者の多くはそんなこと言ってない」などという形で誤解が解ければ、矛は収めてくれるような気がする。
でも(1)は分かり合えない可能性が高そう。「検証不能であったり合理的解釈が困難な内容の主張が、十分に確認されている事柄と両立不能なほどに大きく矛盾する場合、その主張を敢えて『正しいかもしれない』『間違っていない可能性もある』と留保する必然はない」というような反論で、「ああ、それはそうだね」と矛を収めてくれる場合もあるかもしれない。でも、もっとかたくなな信条になっている場合が多そうな感じ。


おそらくニセ科学批判者だって分類可能なんだけど、いまは放置。


しかし、ニセ科学問題って、どこまでも善意が問題としてついて回るなあ。


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ところで興味深いのは、「陰謀論者と懐疑論者はなにが違うのか」が疑問になるのは「自分は懐疑論者であるが陰謀論者ではない」と考える人だけみたいなんですね。というのは「オレは陰謀論者だといわれているが、そうではなくて懐疑論者なのだ」という人は、この議論に加わってないようなのです。
陰謀論者が自覚的でない、そういうカテゴリがあるということを知らないというケースもあるでしょう。でも、「おれは正論を言っているだけなのだ」という立場だってあり得ますよね。その場合、「『陰謀論者』というくくりがそもそもおかしい」となるか、「少なくともオレは陰謀論者などではない」となるのかな。だとすると、そういうカテゴライズの議論には、どっちにしろ加わらないか。


自分自身も、そういうワナにハマっていたりすることは多そうなので、慎重にならんとなあ。


というわけで、自尊感情についての情報、いまも募集中。よろしく。