PSJ渋谷研究所X(臨時避難所2)

はてダ http://d.hatena.ne.jp/kamezo/ からインポートしただけ

「博多おでん」の謎

昨日は寒かったので夕飯はおでんにした。特になにも考えずに大根を下ゆでして、昆布やらなにやらでだしを取って、さて生協で取った「おでんの具」を湯通しだ、と冷蔵庫を覗き込んで「あ」と手が止まった。


「博多屋台風おでんセット 5種10個」と書いてある。そうだったそうだった。「へえ、博多風かぁ、頼んでみるか」と特になにも考えずに(2回目)注文したのだった。

特になにも考えずに(3回目)、ほぼいつものように作って食べたのだが、夕飯を終えてからようやく「はて、これが博多風のおでんなの?」と考えはじめたのですよ。やっとかよw


パッケージにはおでん種の種類は書かれていなかったのだが、いま商品ページを確認すると「牛すじ天 きくらげ天 まる天 めんたい天 とび魚団子」とある。


豆腐・納豆・練製品 - 商品一覧|ウイークリーコープ - コープデリ
> 博多屋台の気分を味わえる彩り5種のおでん具材●岸上蒲鉾
> 博多屋台風おでんセット 5種10個
https://ec.coopdeli.jp/product/detail.html?pcd=P2563210-3219542

「きくらげ」「明太子」「トビウオ」は、確かに関東のおでん種には入ってないし博多っぽい気がする。「牛すじ」も西日本だよな。でも、なんというか「なるほど、ここが違うのか」という腑に落ちる感じはない。


博多風のおでんって、本当はどういうのなんだろう? と「博多おでん 特徴」と検索してみて「ありゃ?」となった。あちこちのサイトで「鶏ベースのだし汁と餃子巻が特徴」と書かれている。たとえば紀文の「地理:日本のおでんいろいろ 【おでん】教室 紀文アカデミー 紀文食品」でも「鶏からとっただし汁に、餃子巻を入れたおでん」だ。掘り方が浅かったせいか、「博多っ子の我が家では、こうじゃないとね」みたいな記事は出てこなかったけれども、どうもそういうことになっているらしい。

だし汁が特徴で、餃子巻なるものが定番の具材だと。鶏のだしは確かに「ご当地風」な感じがする。鶏の水炊きが有名な博多だし、なるほど感がある。うちが買った商品には、その大事な特徴のはずのスープは付いてなかったけど。餃子巻も入ってなかったけど(どーゆーこと!?ww)。


釈然としないので、さらに「博多おでん」で画像検索してみる。すると、黒い黒いだしに具が浮かんでいる。鶏ベースの澄んだおつゆを想像していたのに、全然違う。餃子巻も、ときどき商品ページとして出てきて「博多屋台の定番」とか書かれてはいるのだが、ずらりと並ぶおでん写真には見当たらないし、その元記事でも言及されているのを見つけることはできなかった。これも掘り方が浅いせいか?


いくつか画像をクリックしているうちに、どうも黒い黒いだしは中州にある「博多のおでん」という屋台の写真らしいということがわかってきた。この店名では致し方ない。ほかの店はそんなこともないようだ。が、お店の話でも家庭での話でも「鶏スープ」も「餃子巻」もなかなか見つからない。スープについては鶏じゃなくて「かつお節にあご(トビウオ)だし」というのだったら何軒か見た。「あごだし」というのも中国地方以南としては「なるほど」だ。


なるほどではあるのだが、特徴のはずの「鶏ベースのだし汁と餃子巻」はどこにあるのだ? 牛すじは西日本らしく定番のようだが、うちが買った「牛すじ天 きくらげ天 まる天 めんたい天 とび魚団子」も、どこでも見かけないぞ?(いや、まあ、これはこの商品の問題だけどさw)


さて、これは検索しかたが悪いのか? それとも「鶏のだし汁と餃子巻」は、これから定着させようとどこかのメーカーかなんかが仕掛けているもので、それと知らずに孫引きしているサイトが多いということなのか? 実のところ「博多風のご当地おでん」(博多のおでんはだいたいこんな感じ)なんてものはないのか? どうでもよさそうなものだが、謎は解決されずに残ってしまったのであるww


今度、博多に数年住んだことがある友人に聞いてみようかなw