PSJ渋谷研究所X(臨時避難所2)

はてダ http://d.hatena.ne.jp/kamezo/ からインポートしただけ

ダイジェスト版「牛乳神話」神話


kikulogのコメント用に書いたのだけど、長くなったのでこっちに投下。
kikulogから来たのではない人は、ダイジェスト版ではない方の〈「牛乳神話」神話〉を1からどうぞ。



みなさまこんにちは。
注意力散漫なのか、幕内さんのブログへのリンクがどこにあるのかなかなかわからなくて、うろうろしちゃいました(^^;; さっき見つけましたが、これですね。


幕内秀夫の食生活日記
http://blogs.yahoo.co.jp/makuuchi44/


下記なんか、紹介されていた同氏の「コラム:「牛乳神話」崩壊に期待する―ドクター新谷頑張れ!!」と同じテーマです。


幕内秀夫の食生活日記:最大のフードファデイズム(2007/1/22)
http://blogs.yahoo.co.jp/makuuchi44/27331174.html


実は、先のコラムよりも、こちらの方が論点が明確で、ボクはほとんど論点に異を唱える必要を感じませんでした。
コラムの方を読んだ時は、ほかの方々がコメント欄の上の方で指摘されているように「牛乳1日1本をフードファディズムとは大仰」と思いましたし、「学校給食では牛乳が主食なんて無茶を言うなあ」と思いましたけど。


まず、どうやらフードファディズムという言葉はだいぶ定義がゆるい用法もあるようです。他サイトの説明ですが、たとえば下記は、まさに「あるある」を例に挙げています。


マルチメディア・インターネット事典:フードファディズム
http://www.jiten.com/dicmi/docs/k28/21819s.htm


Wikpediaでは抑制が利いた定義になっていて、「特定の食品を食べるだけですっかり健康になる、などという宣伝をそのまま信じ、バランスを欠いた偏執的な食生活をすること。あるいは、特定の食品を口に入れて病気になったなどの情報に接し、その具体的な量に関するデータも確認しないまま、それを感情的に漠然と記憶し、その食品を全く口にせず、バランスを欠いた偏執的な食生活をすること。」とされています(どっちの定義が正しいのかは、私にはわかりませんが)。
まこ氏の念頭にある定義はWikipediaに近く、幕内氏の念頭にある定義は「マルチメディア・インターネット事典」の方ななんじゃないか、なんて思いました。
「マルチメディア・インターネット事典」の記事を念頭に置くと、かつての(あるいは現在でも一部の)業界や栄養士による牛乳の過大評価だってフードファディズムといえるじゃないかという指摘は、それなりに妥当ではないかと思えます。それを、現在の業界全体や栄養士一般に広げるのはどうかと思いますが。


また、「牛乳が主食」という言い方も極論ではありますが、これはぎりぎり直喩かも知れないと思うようになりました。と言っても、(1)主食の定義を考えたときに、どう考えても本気でそんなことを言う人間がいるとは思えないから (2)別の言い回しで要約しようとすると「まるで」とか「あたかも」とかつけないでいられないから ですので根拠希薄だとは思いますが。


いずれにしても、ブログの最後の一文などから考えても、幕内氏の言わんとするところは、そこら辺には主眼がないようです。少なくとも牛乳悪者論ではないようです(嗜好品程度に考えて、あまり飲まない方がいいとはお考えのようですが)。メーカーや栄養学者たちが「栄養がある食品」といった側面を強調しすぎたり、牛乳においては長い間誇大に評価して来た、それを棚に上げて他者を批判するのはどうなの、ということだと読み取れます。「一品万能主義は危険」というコラムもありますし。


ただ、コラムをいくつか読むと、書き飛ばし気味で細部の詰めが甘いというか、一面的な理解で誤読や悪用されやすそうな気はします。どなたかが指摘されていたような「伝統食回帰」野芥移行までは見つけられませんでしたが。また、著書一覧の書名を見ると、乱暴な傾向はさらに顕著に(汗) 「粗食が最高」みたいな書名はどうなの。「飽食はいかん」じゃないあたりに、とっても危ういものを感じます。書名をつけた人(担当編集者? 汗)が悪いだけかもしれませんが。