PSJ渋谷研究所X(臨時避難所2)

はてダ http://d.hatena.ne.jp/kamezo/ からインポートしただけ

危機的状況


ちなみに、どれぐらい危機的状況なのかというと。


学校の道徳の授業で採り上げられているのは既報のとおり。水伝側の説明では『水からの伝言』シリーズは大ベストセラーだし「ニューヨークタイムズでは江本勝氏の著書2冊がロング・ベストセラーにランキング」なんてことになってるようです(www.hado.com/event/iwfl_2005.htm)。昨年、海外では水伝を題材にした映画「What the Bleep Do we know !?」(www.whatthebleep.com)が話題になりましたし、今年になって日本でも『ストーンエイジ』という映画が作られています。また、やはり映画『仮面ライダーTHE FIRST』でも重要な道具立てとして使われています。


大本営発表をうのみにするのもなんなので、NewYork Timesのサイトで「masaru emoto」を検索してみました。1981年以降で、1件は確かにヒットしました(ちなみに、「1851年9月から1980年まで」ではヒットしませんでした)。
※NewYork Timesは無料だけど会員制。下記のリンクに行くと登録を促され、登録すると目的のページが現れます。


2005年3月13日のWeb版「サンデーブックレビュー」の「Paperback Advice」というカテゴリに13位でランクインしています。(HardcoverとpaperbackそれぞれにFiction、Non-fiction、Adviceのカテゴリがあるんです。後、別枠で上製と並製のBussinessのベストセラーも)。


「13 THE HIDDEN MESSAGES IN WATER, by Masaru Emoto. (Beyond Words, $16.95.)」と確認できます。『水は答えを知っている―その結晶にこめられたメッセージ』の英語版らしいです。原書(日本語版)はI.H.Mのサイトで「13万部を突破した」といわれています。


■NewYork Times:「THE HIDDEN MESSAGES IN WATER」のレビュー
http://www.nytimes.com/2005/03/13/books/review/013TBR.html?ex=1132981200&en=ccac9270c5e7260e&ei=5070


■NewYork Times:2005年3月13日ベストセラーリスト(各カテゴリ上位10位まで)
http://www.nytimes.com/indexes/2005/03/06/books/bestseller/index.html


■NewYork Times「Complete Paperback Advice List」(20位までを含む)
http://www.nytimes.com/2005/03/13/books/bestseller/0313bestpaperadvice.html?ex=1132981200&en=e65c4f21e39d7f7a&ei=5070


レビュー本文では、前半ではレビュー担当者も揶揄してるような気がします。後半部分は評価を交えない紹介みたいです。
きくまこ氏にレビューを読んでもらったら

さすがにNew York Timesだけあって、一刀両断ですね。「勘弁してくれよ」という程度のニュアンスかと。


「我々の正気を疑わせる、あるいは少なくともアメリカの読書人の正気を疑わせるようなベストセラーがおうおうにして生まれるものだ」


ですかね

とのお話。


しかし、これだけでは「2冊」でもないし「ロングセラー」でもない。ていうか「ロング・ベストセラー」なんていうカテゴリーはないんだけど……webだからか? それともやっぱりテキトーに書いているの? こういうところが杜撰だと信じられない度合いが高くなっちゃうんですよ〜。


というわけで勢い余って今年のNew York Timesのベストセラーランクをすべて確認しました。「THE HIDDEN MESSAGES IN WATER」は2月13日に13位で登場し、以後8月21日の11位まで連続28週ランクインし続けています。


おおむね9位から13位の間で、最高6位(7月24日)に達しています。8月28日のランクにはいないのですが、その翌週9月4日には12位で復活、しばらく空いて10月30日にも15位で復活して以後は、11/20日に至るまでランクインしていませんが、このようすを見ると、実はランクインしないだけで、今も売れ続けているのかもしれないです。
1冊しか見つけられなかったけど(見落としたかな?)、これは確かにロングセラーと言えるかも。


映画が話題になったのは昨年の11月頃なので、その影響ばかりではないように思います。


amazon.comで同書を見ると、

Average Customer Review: (3.5ポイント) based on 102 reviews
Amazon.com Sales Rank: #1,502 in Books
だそうです。
www.amazon.com/gp/product/1582701148/103-5703617-5235030?v=glance&n=283155&v=glance
今も1500位でレビューが102件もついてるってのは、やっぱり、どう考えても話題の書ですね。


五つ星や四つ星を付けてる人がかなりいるのに平均が☆3.5ってのはかなり善戦? とか思ってカスタマーレビューを何ページかめくってみると、10件中に少なくとも1件、多ければ3件程度は否定的見解(おおむね☆ひとつ、たまにふたつ)がある。レビューの内容は全く読んでいないけど(^^;; これは思ったよりも健全なのかもしれませんね。少し安心。


単純な平均じゃなくて、五つ星の人が何人、四つ星の人が何人とかってわかるといいのになあ。ネットオークションみたいに。


「masaru emoto」でamazon.comを検索すると、13件がヒット。売れ行き1位は前掲書、2位は「The True Power of Water」

Average Customer Review: (4ポイント) based on 6 reviews. (Write a review.)
Amazon.com Sales Rank: #2,034 in Books
2,034位って、これがもう一冊なのかな。原書はどれだろう。タイトルから察するに、『水の「真」力―心と体のウォーター・ヒーリング』(講談社)かな?


amazon.jpを見てみましょう。「江本勝」で検索すると、和書26点、ビデオ1点がヒットします。和書を見ると、オカルト系の出版社も目立ちますが、メジャーな出版社の本も少なくありません。上位から順に紹介すると、サンマーク出版×3、青春出版社講談社×3、徳間書店学習研究社×2、三笠書房、サンロード、KOS九州口腔健康科学センター、高輪出版社、波動教育社×2、PHP研究所×4、IHM総合研究所、PHP研究所×2、ビジネス社、PHP研究所となります。すべて、「水からの伝言現象」あるいは「波動」に関する本です。


最上位は2001年刊の『水は答えを知っている―その結晶にこめられたメッセージ 』。前掲書の原書ですね。評価はと言うと……

おすすめ度:(3.5ポイント) カスタマーレビュー数: 42 レビューを書く
Amazon.co.jp 売上ランキング: 本で28,173位
www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763193961/qid=1133353957/sr=1-1/ref=sr_1_10_1/249-3864204-9522730
レビューの数も順位もアメリカより低いからamazon.comよりはまし……なんでしょうか? レビューの数では賛否相半ばです。うーむ……。